「10回続いた」その瞬間から、卓球は一気に楽しくなります
ラリーが続かないのは、センスの問題ではありません。多くの場合、原因は「打とうとしすぎていること」にあります。まずやることはひとつ。強く打つのをやめて、同じところへ返すことだけに集中する。この記事では、ラリーが続かない三つの原因と、今日から試せる練習の順番をお伝えします。
この記事でわかること
- ラリーが続かなくなる、代表的な三つの原因
- 「返す」ことに集中するための、力加減と球の高さの目安
- 回数を数える練習のやり方と、続くようになったあとの次の一歩
ラリーが続かない原因は、だいたい三つに絞れます
強く打とうとしている
いちばん多いのがこれです。ラケットにボールが当たった瞬間、無意識に力が入る。腕を速く振れば速く返るので、一見うまくいっているように感じます。でも速い球は、自分の元にも速く返ってきます。準備が間に合わないまま次の球を迎え、そこで終わる。この繰り返しになります。
実は、強く打つほどミスの幅は大きくなります。同じ角度のズレでも、球速が上がればその分だけ着地点が遠くにずれるからです。最初のうちは、力を入れた分だけラリーが短くなる、と考えておくとちょうどいいです。
球の高さと深さがバラバラ
一球目はネットすれすれ、二球目はふわりと高く、三球目は台の手前でポトン。高さと深さが毎回違うと、相手は毎回違う打ち方を求められます。これではどちらのせいでもなく、ラリーは切れます。
高さと深さは、ラケットの角度と、当てる位置で決まります。狙いを一定にせずに振っていると、結果もばらつきます。よくあるのが「入ればいい」と思って打っていて、どこに入れたいかを決めていないケースです。
動かずに、手だけを伸ばしている
ボールが少し横に来たとき、足を動かさずに腕を伸ばして届かせる。届いてはいるので、本人はミスをしたつもりがありません。ただ、体から遠い位置で打つとラケットの面が安定せず、返る場所が毎回変わります。
しかも、伸ばした姿勢からは次の球に戻れません。一球は返っても、二球目で崩れる。ラリーが三球目あたりで切れる方は、ここを疑ってみてください。
まずは「返す」ことだけに集中する
力を三割まで落としてみる
思い切って、いつもの三割くらいの力にしてみてください。ほとんど押し出すだけ、という感覚で構いません。物足りなく感じると思いますが、それでいいのです。この段階の目的は、いい球を打つことではなく、ボールを台の上でやりとりし続けることにあります。
力が抜けると、ラケットの面を保ちやすくなります。面が安定すると、返る場所がそろってきます。返る場所がそろうと、相手も返しやすくなる。こうしてラリーは伸びていきます。
山なりでいい。相手が打てる球を送る
きれいな球でなくて構いません。少し高くても、ゆるくても、相手が普通に打てる位置に返っていれば十分です。むしろ最初のうちは、ネットの少し上を通す山なりの球のほうが安定します。ネットに引っかかる回数が減るからです。
ここで大事なのは、相手に「打たせる」意識です。ラリー練習は勝ち負けの場ではありません。二人で回数を積み上げる共同作業だと考えると、送る球が自然と優しくなります。
狙いは「相手のフォア側、台の真ん中あたり」だけ
目標は一つに絞ります。相手のフォア側(利き手側)の、台の真ん中くらいの深さ。そこだけを狙い続けてください。狙いを一つに決めると、外れたときに何を直せばいいかが見えてきます。
人によって違いますが、狙いを決めた途端に打ち方が落ち着く方は多いです。逆に、いろいろ試しながら打っていると、いつまでも基準ができません。まずは同じことを繰り返す。上達の土台はここにあります。
回数を数えると、練習が変わります
目標はまず10回
数えないラリーは、なんとなく終わってなんとなく再開します。声に出して数えるだけで、練習は一気に練習らしくなります。最初の目標は10回。10回続いたら20回、次は30回と伸ばしていきます。
数える効果はもう一つあります。集中が切れる場所が分かることです。5回目でよく切れるのか、15回を超えると急にミスが出るのか。回数を数えていると、自分の癖が見えてきます。
切れた一球だけを振り返る
ラリーが切れたら、その一球だけを思い出します。高すぎたのか、ネットにかかったのか、体から遠かったのか。原因は一つに絞って構いません。たくさん反省しても、次の一球には反映できないからです。
そして、直すのは一箇所だけ。「今度は少し高めに送る」でいいのです。修正を一つに絞れば、それが効いたかどうかがすぐ分かります。
相手と目標を共有しておく
二人で打つときは、始める前に「今日は30回続けよう」と決めておきます。目標が共有されていれば、お互いに無理な球を打たなくなります。片方が強く打ちたがると、それだけでラリーは続きません。
一人で練習する場合は、卓球マシンや壁打ちでも回数を数えられます。ただし返ってくる球の質が実際の相手とは違うので、感覚をつくる補助と考えておくといいと思います。
続くようになったら、次に足す一つのこと
高さを少しずつ下げる
30回続くようになったら、山なりの高さを少しだけ下げてみます。いきなりネットすれすれを狙わず、ほんの少しです。高さが下がると球は速くなり、相手に届く時間が短くなります。それでも続くなら、その高さが今のあなたの安定ラインです。
続かなくなったら、元の高さに戻して構いません。行ったり来たりしながら、少しずつ下げていく。この上下の繰り返しが、そのまま技術の幅になります。
打ったら必ず、真ん中に戻る
打ちっぱなしで止まらず、打った直後に台の真ん中あたりへ戻る。この癖がつくと、届かないボールが減ります。足を動かす練習は地味ですが、ラリーの長さに直結します。
戻る動きは、大きく走る必要はありません。半歩で十分です。よくあるのが、戻ることを意識しすぎて打つ前に動いてしまうケース。順番は、打つ、それから戻る、です。
「続ける」と「決める」を分けて練習する
ラリーが安定してきたら、練習を二つに分けます。ひたすら続けるラリーと、思い切って打ち込む練習。この二つを混ぜてしまうと、どちらも中途半端になります。
続ける時間には、絶対に強く打たない。決める練習の時間には、ミスを気にしない。時間を区切るだけで、両方が伸びやすくなります。
よくある質問
Q. ラリーが3回くらいで切れてしまいます
まずは力を三割まで落として、山なりの球を相手のフォア側に送ることだけを試してみてください。速さを捨てると、続く回数は変わりやすいです。3回が5回になれば、方向は合っています。
Q. 山なりの球ばかりだと、上達が遅れませんか
そんなことはありません。安定して返せる感覚が先にあると、あとから速さを足すのは比較的スムーズです。順番として、まず「入る」を身につけるほうが遠回りになりにくいと考えています。
Q. 相手が強く打ってきて続きません
始める前に「今日は続ける練習」と伝えておくのが一番です。それが難しい場面では、自分は返すことだけに集中して構いません。人によって違いますが、こちらがゆるく返すと相手も落ち着くことが多いです。
Q. 何回続いたら次のステップに進めますか
明確な線引きはありませんが、30回前後を安定して続けられるようになると、球の高さや速さを変える余裕が出てきます。回数が日によって大きく上下するうちは、もう少し同じ練習を重ねてみてください。
Q. 一人でもラリーの練習はできますか
卓球マシンや壁打ちを使えば、返す感覚をつくる練習はできます。ただ、返ってくる球の高さや回転は実際の相手と違います。補助として使い、仕上げは人と打つのがおすすめです。
まとめ
ラリーが続かない原因は、強く打とうとすること、球の高さと深さがバラバラなこと、動かずに手を伸ばすこと。この三つがほとんどです。まずやることは、力を抜いて同じ場所に返すこと。山なりでいいので、相手が打てる球を送ること。そして、回数を数えること。
10回続くようになると、卓球の景色が変わります。20回、30回と伸びていくと、打つこと自体が楽しくなってきます。上達の実感が最初に訪れるのは、たいていこのタイミングです。
今日は、強く打つのをいったんお休みして、「返す」だけの一日にしてみませんか。
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