卓球のサーブが入らない|まず覚えるべき2種類

サーブが入らないのは、センスではなく「覚える順番」かもしれません

サーブが安定しないとき、いろいろな回転をまとめて覚えようとすると、かえって遠回りになります。実は、最初に身につけるとよいサーブは2種類だけです。下回転と、ナックル。この2つを同じような構えから出し分けられるようになると、それだけで相手はミスをしてくれます。この記事では、その2種類の考え方と、練習の進め方を整理します。

この記事でわかること

  • 下回転サーブとナックルサーブ、それぞれの役割と打ち方の違い
  • 2種類を「見分けにくく」出すためのコツと、つまずきやすい点
  • トスの基本ルールと、1人でもできるサーブ練習のやり方

まず覚えるのは、この2種類でいい

下回転サーブ=相手が持ち上げにくい

下回転=ボールが手前に戻る向きに回っている回転のことです。バックスピンとも呼ばれます。この回転がかかったボールは、相手のラケットに当たったときに下方向へ滑ろうとするため、そのまま普通に打つとネットに引っかかりやすくなります。つまり相手は、意識して持ち上げる打ち方をしないと返せません。ここが下回転サーブの一番の価値です。強い回転をかけることより、まずは「入る下回転」を1本持つことを目標にしてください。

ナックルサーブ=回転をかけずに送る

ナックル=ほとんど回転がかかっていないボールのことです。無回転と説明されることもあります。回転がないので、相手が下回転だと思って持ち上げる打ち方をすると、今度は逆にボールが浮き上がり、オーバーミスにつながります。何も特別なことをしていないように見えて、実はとても効くサーブです。

なぜ、この2つが最初なのか

理由はシンプルで、2つがセットで初めて効くからです。下回転だけを出し続けると、相手はやがて慣れます。ナックルだけでも同じです。よくあるのが、横回転や巻き込みサーブなど、見栄えのする回転から先に手を出してしまうケース。最初のうちは、種類を増やすより、下回転とナックルの差をはっきりさせるほうが試合では効きます。

下回転サーブの打ち方

「切る」より「薄く当てる」

下回転をかけたいとき、力いっぱいラケットを振り下ろす方はとても多いです。ただ、回転量を決めるのは腕の力ではなく、ボールとラバーが触れている感触のほうです。ラケットの面を寝かせ気味にして、ボールの下半分を薄くこすります。厚く当たると回転がかからず、ただの遅いボールになります。手首と前腕を軽く使い、最後まで振り切らずに止めるくらいで十分です。

低く・短くは「1バウンド目」で決まる

サーブが浮いてしまう原因の多くは、自コートの1バウンド目の位置にあります。バウンドが台の真ん中あたりだと、ボールは自然と長く、高くなりがちです。自分側のエンドライン寄り、つまり手前でバウンドさせると、相手コートで短く収まりやすくなります。打つ力を弱めるのではなく、落とす場所を変える。この順番で直すと早いです。

つまずきやすい点

力みと、台との距離です。肩に力が入ると面が起きてしまい、回転がかからないまま飛んでいきます。台に近づきすぎるのもよくある原因で、腕を振るスペースがなくなります。半歩下がるだけで当たりが変わる方もいます。なお、肩や腰、ひじに痛みがある場合は無理をせず、医師に相談したうえで練習量を調整してください。

ナックルの出し方と、2種類の見分けにくさ

構えと振りはそのまま、当て方だけ変える

ナックルで大事なのは、下回転とまったく同じように構え、同じように振ることです。違うのは、ボールに触れる瞬間だけ。こするのではなく、ラケットの面でボールを押すように、少し厚めに当てます。振りを小さくしたり、明らかに優しく打ったりすると、相手にはすぐ伝わります。人によって違いますが、当てる位置をボールの下半分から中心寄りに変えるだけで感覚がつかめる方が多いです。

相手のミスは、こうして生まれる

相手は、こちらのラケットの振りを見て回転を予想します。振りが同じなら、判断の材料は減ります。下回転だと思ってナックルを持ち上げればオーバー、ナックルだと思って下回転を普通に打てばネット。どちらもこちらが何かをしたわけではなく、相手が勝手に迷ってくれた結果です。だからこそ、サーブは速さや派手さより、見分けにくさを優先します。

出し分けの練習は「交互」から

慣れてきたら、下回転3本・ナックル3本のように区切って打ち、次は1本ずつ交互に。最後は自分で順番を決めずに、その場で選んで打ちます。自分では出し分けているつもりでも、動画に撮ると振りの大きさが変わっていることがあります。スマートフォンを台の横に置いて撮るだけでも、気づけることは多いです。

トスのルールと、1人でできる練習

トスの基本

公式のルールでは、サーブのボールは手のひらを開いた状態に乗せて静止させ、そこからほぼ垂直に、決められた高さ以上、上へ投げ上げることになっています。手のひらは平らに開き、ボールを指で握ったり、体やラケットで隠したりしないのが原則です。細かな高さの基準や判定の考え方は改定されることがあります。試合に出る予定がある方は、必ず公益財団法人日本卓球協会が公開している最新の公認ルールをご確認ください。

なぜルール通りのトスが上達につながるのか

横に流れるトス、低いトスは、打点が毎回変わってしまいます。打点が変われば、当たり方も回転も変わります。最初のうちは窮屈に感じても、真上に上げる癖をつけたほうが、結果的に安定は早いです。ルールを守ることと、上達することは、この点では同じ方向を向いています。

1人でもできるサーブ練習

サーブ練習は、相手がいなくてもできるのが利点です。まずはカゴやカートにボールを用意し、10本ずつ区切って打ちます。目安は、相手コートで2バウンドするか、ネットの白い部分すれすれを通るか。相手コートにタオルや紙コップを置いて的にすると、集中が続きます。回転量を確かめたいときは、床に向かって軽くサーブの動きをして、ボールが自分側に戻ってくるかを見る方法もあります。レッスンでよく聞かれるのですが、時間より本数を決めたほうが、練習の質は安定しやすいです。

よくある質問

Q. 下回転とナックル、どちらから練習すべきですか

下回転からをおすすめします。回転をかける感覚が先にあると、ナックルは「かけない」という引き算で作れるためです。人によって違いますので、うまくいかないときは順番を入れ替えてもかまいません。

Q. 回転がかかっているか自分で分かりません

ボールに油性ペンで印をつけて回り方を見る、床に打って戻り方を見るなどの方法があります。動画を撮って、相手コートでの弾み方を確認するのも有効です。判断に迷うときは、コーチに実際に受けてもらうのが早道です。

Q. サーブが必ず長くなってしまいます

多くは1バウンド目の位置が原因です。自分側の手前でバウンドさせる意識に変えてみてください。それでも長いときは、打つ高さが高すぎるか、当たりが厚すぎる可能性があります。

Q. 卓球台がなくても練習できますか

ボールを軽く上に投げてラケットで薄く当て、手元に戻ってくるかを見る練習は台なしでもできます。ただし打点や高さの感覚は台があるほうが正確です。可能なら台のある環境で仕上げるとよいです。

Q. 試合で使うには何本くらい練習が必要ですか

本数は人によって違いますが、まずは1回の練習で50本など、続けられる数字を決めることが大切です。少ない本数でも毎回続けるほうが、まとめて打つより身につきやすいと言われています。

まとめ

サーブが入らないときに必要なのは、新しい技ではなく、覚える順番の整理です。まずは下回転で「相手が持ち上げないと返せない」状態を作り、次にナックルで、その予想を裏切る。この2つを同じ振りから出せるようになれば、種類が少なくても十分に戦えます。トスは真上に、手のひらは開いて。細かい規定は日本卓球協会の最新の公認ルールで確認しておくと安心です。

1人でも、今日から10本だけ始められます。うまくいかない日があっても、それは順番を確かめている途中というだけです。


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