「戦術を考えなさい」と言われても、何を考えればいいか分からない方へ
試合で負けたあと、「もっと考えて打たないと」と言われる。でも、何をどう考えればいいのか分からない。そんな声を、レッスンでよく聞きます。実は戦術とは、難しい理論のことではありません。自分の得意な形に持ち込むための、段取りのことです。この記事では、戦術の考え方の基本と、試合中に修正するための見るポイントをお伝えします。
この記事でわかること
- 戦術とは何かを、ひとことで言い直すとどうなるか
- サーブから三球目までを組み立てる基本の順番
- 試合中に相手を観察して、その場で直していく手順
戦術とは「自分の得意な形に持ち込む段取り」
相手を倒す作戦ではなく、自分を活かす準備
戦術という言葉を聞くと、相手の裏をかく高度な作戦を思い浮かべる方が多いようです。でも、実際はもっと単純です。自分がいちばん得点しやすい形はどれか。その形になる回数を、どうやって増やすか。それを考えるのが戦術です。
たとえばフォアハンドの強打が得意な方なら、フォア側に相手のボールが来る回数を増やせば勝ちやすくなります。ブロックが得意な方なら、相手に先に打たせて、返す展開に持ち込めばいい。つまり出発点は相手ではなく、自分側にあります。
自分の得点パターンを一つだけ書き出してみる
最初にやってほしいのは、自分がどんな形で点を取っているかを一つ挙げてみることです。「短いサーブのあと、返ってきたボールをフォアで打つと入りやすい」。この程度で十分です。
よくあるのが、得意な形を自分でも把握していないまま試合に入ってしまうケースです。それだと、点が取れたのも取れなかったのも、たまたまになってしまいます。一つでも言葉にできると、次の試合で「その形を増やす」という目標が持てます。
組み立ての基本は、サーブと三球目
サーブは相手の返球を限定するために出す
サーブは、それ自体で点を取る道具ではありません。相手の返し方を狭めるための道具です。ここが分かると、組み立てが一気に楽になります。
たとえば短い下回転のサーブを出すと、相手はツッツキ(台の上で下回転のボールを小さく返す技術)か、台上から攻める技術のどちらかを選ぶことになります。長いサーブなら、相手はいったん下がって振ってきます。どんなサーブを出すかで、返ってくるボールの種類はある程度決まるわけです。
三球目を「あらかじめ決めておく」
三球目とは、自分のサーブが一球目、相手の返球が二球目、そして自分が打つ三球目のことです。ここが最初の攻めどころになります。
大事なのは、サーブを出す前から三球目を決めておくこと。「短い下回転を出して、ツッツキで返ってきたらフォアで打つ」。ここまでを一組で考えます。最初のうちは、来たボールを見てから考える方がほとんどですが、それでは間に合いません。先に決めておくと、体の準備が変わります。
決めた形が外れたときは、無理をしない
もちろん、思った通りに返ってこないこともあります。そのときは無理に打たず、つないで次に備えれば十分です。狙った形が三回に一回でも成立すれば、それは戦術として機能しています。
外れたときに大振りしてしまうと、点を失うだけでなく、次の一本の判断まで乱れます。決めた形は「そうなったら攻める」という約束であって、「必ずその形にする」という義務ではありません。この違いを持っておくと、思い通りにいかない試合でも落ち着いていられます。
相手の苦手を探す三つの入り口
バック側、ミドル、長さ
相手の苦手を探すとき、やみくもに見ても分かりません。見る場所を三つに絞ると、探しやすくなります。
一つ目はバック側。バックハンドが苦手な方は、詰まった返球になったり、コースが甘くなったりします。二つ目はミドル、つまり体の正面あたりです。フォアで取るかバックで取るかの判断が要る場所なので、迷いが出やすいところです。三つ目は長さです。短いボールに弱いのか、長いボールに弱いのか。この三つを一つずつ試せば、たいてい何か見つかります。
試すのは一試合に一つか二つでいい
全部を一度に試そうとすると、自分の形まで崩れます。まずはバック側に集めてみる。手応えがなければ、次はミドルを突いてみる。順番に一つずつで構いません。
人によって違いますが、苦手なコースに三本続けて送ると、はっきり差が出ることが多いです。相手が慌てるのか、平然と返してくるのか。それが答えになります。
同じパターンを続けるか、変えるか
効いているうちは変えなくていい
得点できているパターンを、わざわざ変える必要はありません。「同じ手ばかりでは読まれる」と心配になりますが、実際には効いているうちは使い続けるのが正解です。相手が対応してきてから変えれば間に合います。
変えどきのサインは、相手の準備が早くなったとき
では、いつ変えるか。目安は、相手の構えが早くなったときです。同じサーブに対して、待つ位置が変わった。返球が鋭くなった。こうしたサインが出たら、読まれ始めています。
そのときは、大きく変えなくて構いません。同じ回転のまま、コースだけ変える。同じコースのまま、長さだけ変える。一箇所だけずらせば、相手の準備は崩れます。
試合中に見るのは三つだけ
試合中は情報が多すぎて、混乱しがちです。見るのは三つに絞ります。相手が構えている立ち位置。フォアとバック、どちらで待っているか。そして、自分がどのパターンで点を落としたか。
このうち三つ目が、いちばん役に立ちます。同じ形で二本続けて失点したら、その形は今日は通用していないということです。試合中の修正は、そこから始めれば十分です。
まずは「一つだけ決めて試す」から
試合前に、たった一行を決めておく
戦術を難しくしているのは、量です。あれもこれも考えようとするから、頭が回らなくなります。試合前に決めるのは一行でいい。「バック側に短いサーブを出して、返ってきたらフォアで打つ」。これだけで、その日の戦術になります。
一行を試して、結果を覚えて帰る
試合が終わったら、その一行がどうだったかだけ振り返ります。うまくいったのか、途中から返されるようになったのか。それを覚えて帰るだけで、次の試合で使える材料が一つ増えます。
こうして材料が増えていくと、だんだん引き出しになります。最初から引き出しをたくさん持っている必要はありません。
よくある質問
Q. 初心者でも戦術は考えたほうがいいですか
はい、ただし一つだけで十分です。技術がまだ安定していない段階でも、「このサーブを出す」と決めておくことはできます。人によって違いますが、決めごとがあるほうが緊張しにくくなる方も多いです。
Q. 相手の情報がまったくないときはどうすればいいですか
最初の数本で探る、と決めておけば大丈夫です。バック側、ミドル、長さの三つを一本ずつ試せば、序盤のうちに手がかりが出ます。最初の数本は情報を集める時間だと考えてください。
Q. 考えすぎて体が動かなくなります
考える量が多すぎるサインです。試合中に考えることは、決めた一つの形が通用しているかどうかだけに絞ってみてください。あとはラリー中に考えず、体に任せて構いません。
Q. サーブの種類が少なくても戦術は組めますか
組めます。二種類でも、コースと長さを変えれば見え方は変わります。実は、種類を増やすより、同じサーブを出す位置やタイミングを変えるほうが効くこともあります。
Q. 練習でも戦術を意識したほうがいいですか
はい、ラリー練習の中に一つだけ決めごとを入れると変わります。「この一本はミドルに送る」といった形です。試合でやることを、練習で一度も試していないと本番では出てきません。
まとめ
戦術とは、自分の得意な形に持ち込むための段取りのことです。サーブで相手の返球を限定し、三球目で攻める。この一組を先に決めておくのが、組み立ての基本になります。相手の苦手を探すときは、バック側、ミドル、長さの三つから。効いている形は変えず、相手の準備が早くなったら一箇所だけずらす。
全部を一度に身につける必要はありません。まずは次の試合で試す一行を、今日のうちに決めてみてください。それだけで、コートの上での景色が少し変わってくるはずです。
春日井で卓球を始めるなら 明和卓球クラブ T’s Impact
明和卓球クラブ T’s Impact は、コーチとの1対1のパーソナルレッスンに特化した卓球スクールです。まったくの未経験の方から、試合で勝ちたい方まで、目的に合わせてレッスン内容を組み立てます。
ラケットは無料でレンタルできます。運動しやすい服装と室内用のシューズをご用意いただければ、そのまま始められます。更衣室・シャワー・パウダールームもあり、お仕事帰りにも立ち寄っていただけます。
初回限定の体験レッスンをご用意しています。小中学生の入門・初心者コースには無料体験も1回ございます。まずはお気軽にご相談ください。
明和卓球クラブ T’s Impact
〒486-0927 愛知県春日井市柏井町4丁目17 イオン春日井店 4F
TEL:080-5306-8299(受付時間 平日10:00〜21:00)
定休日:月曜日
レッスン内容と料金はレッスン・料金のページを、ご予約・ご相談はお問い合わせからどうぞ。
