うまくなりたい気持ちが、いつのまにか重荷になっていませんか
卓球を続けていると、上達だけを目標にしていた人ほど、どこかで足が止まりやすくなります。結論からお伝えすると、長く楽しんでいる方は「楽しみ方をいくつも持っている」という共通点があります。この記事では、上達以外の楽しみ方の広げ方と、比べる相手の決め方、そして休んだあとに戻ってくるための考え方をまとめました。読み終えたころに、少し肩の力が抜けていたらうれしいです。
この記事でわかること
- 上達だけを目的にすると、なぜ苦しくなる時期が来るのか
- 長く続けている人が持っている、いくつもの楽しみ方
- 休んでも戻ってこられる人の考え方と、年齢との付き合い方
上達だけを追いかけると、どこかで苦しくなります
伸びはまっすぐではなく、階段のように進みます
始めたばかりのころは、行くたびに何かができるようになります。ラリーが続く、サーブが入る、ミスが減る。手応えがはっきりしているので、練習そのものが楽しく感じられます。
ところが、ある時期から伸びが見えにくくなります。実は、これは技術が止まったのではなく、伸びの単位が小さくなっただけであることがほとんどです。フォームは整い、ラリーは続き、あとは精度や判断といった、目に見えにくい部分が育っていく段階に入っています。
最初のうちは「昨日より上手くなったか」で自分を測っても大丈夫です。ただ、それだけを物差しにし続けると、伸びが見えにくい時期にきたとき、自分だけが止まっているように感じてしまいます。
目的を「差し替える」のではなく、「増やす」
よくあるのが、伸び悩んだときに「もう自分には向いていないのかもしれない」と考えてしまうケースです。でも、上達を目指す気持ちを手放す必要はありません。手放すのではなく、その隣に別の楽しみ方を並べておく。それだけで、卓球との距離はずいぶん楽になります。
上達は、たくさんある楽しみのうちのひとつ。そう思えるようになると、調子の悪い日でも台に向かえるようになります。
長く続けている人は、楽しみ方をいくつも持っています
打つこと自体が気持ちいい、という感覚
ボールが自分の思ったところに飛んだとき、ラケットに伝わる感触は、勝ち負けとは関係なく気持ちのいいものです。長く続けている方ほど、この感覚を大切にしている印象があります。
うまく打てた一球を、その日のうちに覚えておく。試合の結果ではなく「今日は3球いい当たりがあった」で満足できる日をつくると、練習に行く理由がひとつ増えます。
勝つ喜びは大きいけれど、たまにしか来ない
試合で勝つ喜びは、他の何とも代えがたいものです。ただ、勝ちは相手あってのものですし、頻繁には訪れません。ここだけを楽しみにしていると、負けが続いた時期に、卓球そのものが嫌になってしまうことがあります。
レッスンでよく聞かれるのが「勝てないと続ける意味がない気がする」という声です。人によって違いますが、勝敗を「楽しみのひとつ」に位置づけ直した方は、試合後の切り替えが早くなる傾向があります。負けた日に、何がうまくいったかをひとつだけ挙げてみる。それだけでも、次に向かう気持ちは変わります。
通う習慣、人との交流、道具を選ぶ時間
続けている方の話を聞いていると、「卓球そのもの」以外の楽しみを持っている方が多いことに気づきます。
ひとつは、通うこと自体が生活のリズムになっているケース。決まった曜日に体を動かす時間があると、その日に向けて予定が整いやすくなります。体を動かす習慣は心身の調子にも良いと言われていますが、感じ方には個人差がありますし、痛みや持病がある方は事前に医師へ相談してから始めてください。
もうひとつは、人との交流です。同じ場所に通う人と顔見知りになる、コーチと話す。技術の話でなくてもかまいません。行けば誰かがいる、という感覚は、想像以上に足を運ぶ理由になります。
そして、道具を選ぶ時間。ラバー(ラケットの表面に貼るゴムのシート)を替えると、同じスイングでも打球の感触が変わります。メーカーによる優劣は一概には言えず、好みや打ち方によって合うものが変わりますので、迷ったときはコーチに相談してみてください。選ぶ過程そのものを楽しんでいる方は、たくさんいらっしゃいます。
比べる相手を、過去の自分に変える
他人との比較には、終わりがありません
同じ時期に始めた人が先に上達していく。部活で後輩に抜かれる。こうした場面は、卓球を続けていれば必ず訪れます。
ただ、他人との比較は、上に行けば行くほど終わりません。しかも、比べる相手の練習量も体格も、これまでの競技歴も違います。同じ物差しで測ること自体に、そもそも無理があります。
半年前の自分と比べてみる
おすすめしたいのは、比較の相手を過去の自分にすることです。半年前の自分は、そのサーブを返せていたでしょうか。同じ相手と、あの頃より長くラリーが続くようになっていないでしょうか。
見えにくい伸びを見えるようにするには、記録が役に立ちます。練習後に一行だけ、その日できたことを書き残す。動画を月に一度だけ撮っておく。数か月分がたまると、自分では気づかなかった変化がはっきり見えてきます。ここを変えると、伸び悩みの感じ方は大きく変わります。
休んでも、また戻ってくればいい
ブランクは、思っているほど大きくありません
仕事が忙しい時期、家庭の事情、けが。卓球から離れる理由は、誰にでも起こります。そして離れた期間が長くなるほど「今さら戻りにくい」と感じてしまうものです。
けれど、一度身につけた体の使い方は、思っているより残っています。最初のうちは感覚がずれていても、数回通ううちに戻ってくる方が多い、というのが現場での実感です。もちろん人によって違いますが、「ゼロからやり直し」になることはまずありません。
休むことを失敗と考えず、続け方のひとつだと考えてみてください。週1回が難しければ、月1回でも卓球との縁は切れません。
年齢を重ねても、続けられる競技です
卓球は、走る距離が短く、屋内で天候に左右されず、自分のペースに合わせて強度を調整しやすい競技です。若い頃と同じ動きができなくなっても、コースの読み方や回転の使い方といった、経験がそのまま生きる部分があります。
だからこそ、年代ごとに関わり方を選び直していけます。勝ちを追う時期があってもいいし、体を動かすことを目的にする時期があってもいい。同じ人の中でも、その比重は変わっていきます。
よくある質問
Q. 上達しないなら、続ける意味はないのでしょうか
意味は、上達だけで決まるものではありません。打つ感触、通う習慣、人との交流も、続ける理由になります。上達を目標から外す必要はなく、隣に別の楽しみを並べておくだけで気持ちは軽くなります。
Q. 伸び悩んでいる時期は、練習量を増やすべきですか
必ずしもそうとは限りません。人によって違いますが、量を増やすより、練習の中身を絞ったほうが変化が出ることもあります。何がうまくいっていないのか分からないときは、コーチに一度見てもらうと整理しやすくなります。
Q. 年齢的に、今から始めても遅くないでしょうか
卓球は自分のペースに合わせて強度を調整しやすく、幅広い年代の方が楽しんでいます。無理のない範囲から始めるのが前提ですし、痛みや持病がある方は医師に相談したうえで検討してください。
Q. しばらく休んでいましたが、戻りづらいです
よくあるのが「勘が鈍っているのが恥ずかしい」という気持ちです。最初のうちは違和感があっても、数回で感覚が戻ってくる方が多くいらっしゃいます。ブランクがあることを前提に、軽い内容から再開すれば大丈夫です。
Q. 用具を替えれば、もっと楽しくなりますか
感触が変わることで、新鮮さが戻ることはあります。ただし特定のメーカーが優れているというものではなく、打ち方や好みによって合うものが変わります。替える前に、今の用具で困っている点をコーチに伝えてみてください。
まとめ
上達だけを目的にすると、伸びが見えにくくなった時期に苦しくなります。長く楽しんでいる方は、打つ心地よさ、勝つ喜び、通う習慣、人との交流、道具を選ぶ時間と、楽しみ方をいくつも持っています。比べる相手を過去の自分にすれば、見えにくい変化にも気づけます。そして、休んでも戻ってくればいいのです。
今の自分に合った関わり方を、そのつど選び直していってかまいません。ラケットを持つ理由は、ひとつでなくていいのです。
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