卓球シューズは普通の運動靴と何が違う?選び方のポイント

「靴は普段のスニーカーでいいですか?」と聞かれたときに、いつもお話ししていること

卓球を始めるとき、ラケットよりも先に迷いやすいのが足元です。結論からお伝えすると、卓球シューズと普通の運動靴は「動く方向」への対応がまったく違います。この記事では、卓球シューズの特徴と、失敗しにくい選び方の考え方をまとめました。いきなり買わなくても大丈夫、という話も最後に添えています。

この記事でわかること

  • 卓球シューズが普通の運動靴と違う4つのポイント
  • 選ぶときに見るべき場所と、試し履きでのチェック方法
  • 買う前にレンタルで確かめるという進め方

卓球シューズは、普通の運動靴と何が違うのか

横の動きに強く作られている

卓球は、前後よりも左右に細かく動き続ける競技です。台の幅の中で右に一歩、左に半歩、そしてすぐ戻る。この繰り返しが延々と続きます。卓球シューズは、その横方向の踏ん張りに耐えられるよう、足を横から支える構造になっているものが一般的です。ソール(靴底)の横幅の取り方や、足の甲まわりのホールド感が、走ることを想定した靴とは考え方から違います。

ソールが薄めで、床の感覚が伝わる

実は、初めて卓球シューズを履いた方が最初に驚くのが「薄さ」です。クッションがしっかりした靴に慣れていると、頼りなく感じることもあります。ただ、これは意図された薄さです。床を蹴った感覚、足の裏がどこに乗っているかという情報が伝わるほど、細かい動きの微調整がしやすくなります。厚いソールは衝撃を吸収してくれますが、そのぶん床との距離が生まれ、素早い切り返しでは足元が不安定になりやすいのです。

グリップと軽さを両立している

止まりたいところで止まれること。これが卓球ではとても大事です。滑りすぎる靴だと、打つ前に体勢が崩れます。かといって、まったく滑らないと今度は足が固定されすぎて、ひざや足首にねじれの負担がかかります。卓球シューズは、体育館の床でちょうどよく止まり、必要な分だけ滑るバランスを狙って作られていることが多いです。加えて、一歩の回数が多い競技なので、軽さも重視されます。

普段のランニングシューズだと、何が起きるのか

横に踏ん張ったときに滑りやすい

よくあるのが、ランニングシューズで参加されて「思ったより足が流れる」とおっしゃるケースです。ランニングシューズのソールは、前に進むための溝の入り方をしていることが多く、真横への踏ん張りは想定の外にあります。体は右に行きたいのに足だけ滑る、という状態は、思っている以上に打球のミスにつながります。

足首やひざへの負担が増えることがある

滑るだけでなく、逆のパターンもあります。厚いソールで重心が高い状態のまま横に切り返すと、足首が内側や外側に倒れやすくなります。人によって違いますが、こうした小さなねじれが積み重なると、足首やひざの違和感につながることもあると言われています。もともと痛みや持病がある方は、無理をせず、医師に相談したうえで運動の内容を決めてください。

体育館では「ノンマーキングソール」が前提

もうひとつ、忘れがちなのが床を汚さないという点です。屋外用の靴や、色のついたゴムが使われている靴は、床に黒い線(マーキング)を残してしまうことがあります。多くの施設では、跡が残らないノンマーキングソールの室内シューズが求められます。屋外で履いた靴をそのまま持ち込むと、砂が床に落ちて滑りやすくなる、という問題もあります。室内用は室内用として一足、が基本の考え方です。

失敗しにくい選び方のポイント

必ず履いて、その場で横に動いてみる

最初のうちは、サイズさえ合っていればいいと思われる方が多いです。ただ、卓球シューズで確かめてほしいのは、まっすぐ立ったときの感触ではなく、横に体重をかけたときの感触です。売り場で構わないので、その場で軽く左右にステップを踏んでみてください。足が靴の中で横にずれる感じがあるなら、その靴は合っていない可能性があります。かかとが浮かないか、小指の外側が押されすぎないかも、同時に見ておきたいところです。

幅(ワイズ)を見落とさない

長さは合っているのに、なぜかしっくりこない。そういうときは、幅が原因のことがあります。靴には長さのサイズとは別に、幅を表すワイズという表記があります。日本人には幅広の足の方が比較的多いと言われていますが、これも人によって違います。同じサイズ表記でも、作り手によって幅の取り方はかなり変わります。だからこそ、数字だけで選ばず、実際に履いて確かめることに意味があります。

靴下とインソールまで含めて合わせる

試し履きのときは、実際に練習で使う厚みの靴下を履いていくのがおすすめです。薄い靴下で合わせた靴に厚手の靴下を入れると、それだけできつくなります。逆に、少し緩いと感じる場合は、中敷き(インソール)を入れて調整できることもあります。夕方は足がむくんで少し大きくなりやすいので、その時間帯に試すと実戦に近い感覚がつかめます。

特定の製品名より、「自分に合うか」を軸に

用具は好みが大きく分かれる分野です。一般に、軽さを取ればサポートが軽くなり、支えを厚くすれば重くなる、といった関係があります。どちらが優れているという話ではなく、その人の足の形、体重のかけ方、プレースタイルによって心地よい一足は変わります。迷ったときは、実際に動いているところを見ている人に相談するのがいちばん早い方法です。

最初はレンタルで試す、という進め方

いきなり買わなくても始められます

始める前から専用の道具をそろえなければ、と身構える必要はありません。まずは手持ちの室内用シューズで何回か動いてみてください。自分がどんな靴を心地よいと感じるのか、どこが当たると痛くなるのか。それは、実際に動いてみて初めて分かることです。

試しながら「自分の基準」を作る

何度か練習してから買うと、選ぶときの視点が変わります。「もう少し軽いほうがいい」「かかとをもっと支えてほしい」といった希望が、自分の言葉で出てくるようになります。この段階まで来てから買った靴は、外れが少ないです。急がなくて大丈夫です。

よくある質問

Q. 室内用のスニーカーなら、卓球用でなくても大丈夫ですか

短時間なら問題ないことも多いです。ただ、横への切り返しが増えるほど差が出ます。続けていくつもりなら、早めに卓球用へ切り替えるほうが体への負担は減らせます。

Q. バドミントンやバレーボールのシューズは使えますか

同じ室内競技なので、横の動きに対応した作りのものが多く、代用しやすい部類です。ただしソールの薄さやグリップの効き方には差があります。手元にあるなら、まずはそれで試してみるのもひとつです。

Q. ソールが薄いと、ひざへの負担が大きくなりませんか

気になる方はいます。人によって違いますが、薄さは安定性と引き換えのものなので、一概に負担が増えるとは言えません。不安がある場合は、クッション性のあるモデルを選ぶ、インソールで調整するなどの方法があります。

Q. サイズは少し大きめを選んだほうがいいですか

大きすぎると靴の中で足が動き、かえって滑る原因になります。つま先に少し余裕があり、かかとが浮かないところが目安です。成長期のお子さんの場合も、極端に大きいものは避けたほうが安心です。

Q. どのくらいで買い替えたらいいですか

使う頻度によります。ソールの溝がすり減ってグリップが落ちてきた、かかとの内側が崩れてきた、といった変化が出たら替えどきです。見た目がきれいでも、止まりにくさを感じたら早めの交換をおすすめします。

まとめ

卓球シューズは、横の動きに強く、床の感覚が伝わりやすく、止まりたいところで止まれるように作られた靴です。普通の運動靴でも始められますが、続けるほどにその違いは効いてきます。選ぶときは数字だけで判断せず、実際に履いて横に一歩動いてみてください。そして、まずは手持ちの室内用シューズで何回か通ってから決めても、まったく遅くありません。足元が決まると、動きは驚くほど軽くなります。まずは一歩、動いてみるところからで大丈夫です。


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