レシーブが苦手なのは、その場で決めることが多すぎるからかもしれません
レシーブでミスが出るとき、技術が足りないと感じてしまう方は多いです。でも実は、原因は「一瞬で決めなければいけないことが多すぎる」ことにあります。だとすれば、上手くなる前にやることは一つ。返し方をあらかじめ決めておくことです。この記事では、迷いを減らすための「型」の作り方と、その型を活かすための準備、そして攻めと安全の使い分けをまとめました。
この記事でわかること
- レシーブが難しく感じる本当の理由と、そこから逆算した対処の考え方
- 「長かったらこう、短かったらこう」と先に決めておく型のつくり方
- 攻めるレシーブと安全なレシーブを、どんな基準で選び分けるか
レシーブが難しいのは、その場で決めることが多いから
回転と長さ、二つを同時に読まされている
レシーブの一瞬で、私たちは少なくとも二つのことを判断しています。一つは回転。もう一つは長さ、つまりそのサーブが台から出るのか、台の上で収まるのかです。しかもこの二つは、どちらか片方が分かっただけでは返し方が決まりません。下回転だと分かっても、長いのか短いのかで打ち方はまったく別物になるからです。
よくあるのが、回転ばかりに意識が向いて長さの判断が遅れるケースです。回転は正しく読めていたのに、台から出るサーブに小さく合わせにいってしまい、詰まって返せない。これは技術ではなく、判断の順番の問題です。
判断に使える時間は、ほとんどない
サーブが自分のコートに届くまでの時間は、ごくわずかです。その間に回転を読み、長さを読み、返し方を選び、体を動かす。考える時間があるように感じるのは、後から映像で見たときだけです。実際には、迷った瞬間に手が止まり、当てるだけの返球になってしまいます。
だからまず「迷わなくなる」ことを目指す
ここで発想を変えます。判断が間に合わないなら、判断そのものを減らせばいい。事前に決めておけることは、その場で考えなくて済みます。上手くなるより先に、迷わなくなる。これがレシーブの安定にいちばん効く順番です。
レシーブが苦手だと感じている方の多くは、技術が足りないのではなく、その場で考えることを抱えすぎています。返し方を毎回ゼロから選んでいれば、経験者でも間に合いません。ここを変えるだけで、手応えは変わります。
迷いを減らす「型」を先に決めておく
長かったらツッツキ、短かったらストップ
最初に決めておくとよいのが、長さに対する反応です。台から出る長い下回転系のサーブが来たらツッツキ(台の上や台の外で、下回転のボールを下回転のまま返す技術)。台の上で収まる短いサーブが来たらストップ(台上でボールの勢いを殺し、短く止めて返す技術)。この二つを自分の初期設定にしておきます。
大事なのは、正解かどうかより、迷わないことです。長い短いを判断した瞬間に返し方が自動で決まっていれば、残りの意識をすべて回転の対応に回せます。人によって違いますが、これだけで返球率が変わる方はとても多いです。
型は少ないほど強い
型は二つ、多くても三つで十分です。選択肢を増やすほど、選ぶ時間が必要になります。最初のうちは「長い=ツッツキ」「短い=ストップ」「浮いた=振る」の三つだけ決めておき、それ以外は考えない。物足りなく感じるかもしれませんが、試合で崩れないのはいつもシンプルな型を持っている人です。
型があると、外した理由が分かる
型を決めるもう一つの効果は、振り返りができるようになることです。決めた通りに返してミスしたなら、原因は技術か回転の読み。決めた型と違うことをしてミスしたなら、原因は判断です。原因が二つに切り分けられるだけで、次にやるべき練習がはっきりします。何となく返して何となく外していると、この切り分けができません。
型を活かすための、三つの準備
構える位置を毎回同じにする
構える位置がその都度ずれていると、同じサーブでも見え方と距離感が変わります。すると型どおりに返しても結果が安定せず、せっかく決めた基準が使えません。台からの距離、足の位置、ラケットの高さ。この三つを自分なりに固定して、毎回そこから始めるようにしてみてください。基準が一定になると、ずれたときにも気づけるようになります。
長さは「一つ目のバウンドの位置」で見る
長短の判断は、相手コートで一度弾む位置がヒントになります。ネットに近いところで弾んだサーブは短くなりやすく、相手コートの手前側、つまりエンドライン寄りで弾んだサーブは長く伸びてきやすい。ボールが自分の側に来てから判断すると遅いので、相手コートで弾んだ時点で長短を決めてしまうくらいの意識でちょうどよいです。
相手のサーブを二、三球見て傾向をつかむ
同じ相手なら、サーブには必ず癖があります。序盤の数本は情報を集める時間だと割り切って、構えやスイング、出してくる長さの傾向を見ておきましょう。レッスンでよく聞かれるのが「一球目から完璧に対応したい」という話ですが、実際の試合ではそこまで求めなくて大丈夫です。二、三球見て傾向がつかめれば、中盤以降で十分に取り返せます。
攻めるレシーブと、安全なレシーブの使い分け
基本は安全側、攻めは条件を決めて
レシーブは、それ単体で得点する場面ばかりではありません。基本は低く返してラリーの土俵に乗せる。そのうえで、攻めていい条件を先に決めておきます。たとえば「浮いたときだけ振る」「長い上回転のときだけ強く返す」といった具合です。条件を決めておけば、その場で迷わずに攻守を選べます。
攻めるかどうかは、勇気ではなく基準で決める
思い切って攻めたのに外れる。逆に、入れにいって甘くなり狙われる。どちらも、その場の気分で選んでいると起こりがちです。攻めるかどうかは、気持ちの強さではなく事前の基準で決めるもの。基準どおりに攻めて外れたなら、それは判断ミスではなく技術の課題として練習に回せます。
迷ったときは、安全を選んで構いません
条件に当てはまるかどうか分からない。そんなときは、迷わず安全側を選んでください。低く、短く返して仕切り直す。それは逃げではなく、次の一球で有利を取るための選択です。最初のうちは安全側に寄せておいて、余裕が出てきてから攻める条件を少しずつ増やしていけば十分です。
安全に返した一本は、地味に見えて試合を支えます。相手に強く打たせず、ラリーを続けられれば、それだけでチャンスは回ってきます。攻めることだけが積極的なのではなく、確実に返し続けることも立派な戦い方です。
よくある質問
Q. 決めた型どおりに返しても、ミスが減りません
型が合っているかより、まず同じ型を続けられているかを見てみてください。同じ返し方を繰り返すと、ミスの傾向が一定になり、修正すべき点が見つけやすくなります。
Q. 長いか短いかの判断が、そもそも間に合いません
相手コートで弾む位置を見る習慣をつけてみてください。自分の側に来てから見ようとすると、どうしても遅れます。判断のタイミングを前に持ってくるのが近道です。
Q. 型を決めると、相手に読まれませんか
最初の段階では、読まれることより返せないことのほうが失点につながります。安定して返せるようになってから、同じ構えで返し方を変える工夫を足していけば大丈夫です。
Q. 攻めるレシーブはいつから練習すればいいですか
安全な返し方が安定してからで構いません。人によって違いますが、まず一つ確実な返し方を持ってから攻めを足すほうが、結果的に早く形になります。
Q. 試合になると型を忘れてしまいます
緊張すると選択肢が増えるほど混乱します。試合前に「今日はこの二つだけ」と口に出して確認しておくと、思い出しやすくなります。
まとめ
レシーブが難しいのは、回転も長さも分からない状態で、一瞬のうちに返し方を選ばなければならないからです。だからこそ、決められることは先に決めておきます。長かったらツッツキ、短かったらストップ。構える位置は毎回同じ。序盤の数本で相手の傾向をつかむ。そして攻めるかどうかは、その場の気分ではなく事前の条件で選ぶ。
判断が減れば、同じ技術でも返球は安定します。うまく返せなかった日も、型を持っていれば必ず次につながります。
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