「今年こそ上手くなる」と決めたのに、気づけば忘れている方へ
目標が続かないのは、やる気が足りないからではありません。多くの場合、目標の「決め方」がずれているだけです。大きすぎる、期限がない、勝ち負けだけで測っている。この三つを整えるだけで、目標はぐっと扱いやすくなります。
この記事では、目標が続かなくなる理由と、達成しやすい立て方の手順、そして達成できなかったときの立て直し方までをお伝えします。紙一枚とペンがあれば、今日から始められる内容です。
この記事でわかること
- 目標が途中で消えてしまう、三つの共通した理由
- 結果目標と行動目標を分けて決める、具体的な手順
- 達成できなかったときに、目標を下げずに立て直す方法
実は、続かない目標には共通点があります
大きすぎる目標は、最初の一歩が見えない
「強くなりたい」「試合で勝てるようになりたい」。とても良い気持ちですが、この形のままだと、明日何をすればいいのかが決まりません。行き先だけがあって、道順がない状態です。
レッスンでよく聞かれるのが「どこから手をつければいいか分からない」という声です。最初のうちは、目標が大きいほど立派に見えるものです。ただ、大きい目標は毎日の練習と結びつきにくく、いつのまにか頭から消えてしまいます。
期限がないと、いつでも「明日から」になれてしまう
期限のない目標は、締め切りのない宿題と同じです。急ぐ理由がないので、後回しにしても何も困りません。そして後回しは、いくらでも繰り返せてしまいます。
ここは意志の強さの問題ではないと考えています。人は締め切りがあって初めて逆算するもので、逆算が始まると「じゃあ今週は何をするか」が自然に出てきます。
勝ち負けだけで測ると、積み上げが残らない
よくあるのが、目標を勝敗だけで置いてしまうことです。勝てば達成、負ければ未達。分かりやすい反面、この置き方には弱点があります。勝敗は相手やその日の組み合わせにも左右されるため、自分の努力がそのまま結果に出るとは限らないからです。
三か月かけてフォアハンドの安定感が上がっていても、初戦で強い相手に当たれば数字は「負け」になります。積み上げたものが記録に残らないと、続ける気持ちは削られていきます。
達成しやすい目標の決め方、三つのステップ
ステップ1 結果目標と行動目標を分ける
まず、目標を二種類に分けます。結果目標は「大会でランクに入る」「団体戦のレギュラーになる」といった、最終的にたどり着きたい場所です。行動目標は「週に1回は練習に通う」「ツッツキを100本続ける」のように、自分の意思だけで実行できることを指します。ツッツキとは、台の上で下回転のボールを小さく返す技術のことです。
大事なのは、この二つを混ぜないことです。結果目標は方向を示す看板、行動目標は毎日踏む一段の階段。看板だけでは登れませんし、階段だけでは方向を見失います。両方を紙に書き、上に結果目標、その下に行動目標を三つほど並べてみてください。
ステップ2 期限を切る
次に、それぞれに期限を入れます。結果目標なら「秋の大会まで」「三か月後まで」。行動目標なら「今月いっぱい」「今週中に」。期限は、長すぎても短すぎても機能しません。行動目標は一週間から一か月、結果目標は一か月から半年くらいが、扱いやすい長さだと感じています。
人によって違いますが、期限を決めた瞬間に「それは無理かもしれない」と感じることがあります。それは失敗ではなく、良い情報です。無理だと感じたなら、その時点で内容を調整すればいいだけです。
ステップ3 自分で決めた指標で測る
最後に、達成したかどうかをどう判断するかを決めます。ここで使うのは、相手や運に左右されない、自分の指標です。
たとえば「サーブ練習を週2回、各20分行う」なら、やったかどうかは自分で分かります。「バック側に来たボールを、10球中7球はミスなく返す」も、自分で数えられます。試合の中で使うなら「一試合でサーブミスを2本以内に抑える」のように、勝敗とは切り離した数え方にします。
指標は、○か×かで答えられる形にしておくと迷いません。「頑張る」「意識する」は、後から振り返ったときに判定できないので避けます。
達成できなかったときは、下げるのではなく分解する
「できなかった」ではなく「大きすぎた」と考える
期限が来て未達だったとき、まず目標を下げたくなります。週3回を週1回に、100本を50本に。気持ちは分かりますが、いきなり下げるのはおすすめしません。下げ続けると、最後には何も残らなくなるからです。
そうではなく、「目標が自分に合わない大きさだった」と受け取ります。読み違えたのは自分の能力ではなく、一段の高さです。ここを分けて考えられると、次の一手が見えてきます。
分解のしかたは、時間・回数・条件のどれかを削る
分解は、三つの方向で考えると整理しやすいです。時間を削る(20分を10分に)、回数を削る(週3回を週2回に)、条件をやさしくする(動きながら100本を、その場で100本に)。
一度に全部を削る必要はありません。削るのは一つだけ。それでもできなければ、もう一つ削ります。この進め方なら、目標の中身は保ったまま、実行できる大きさに近づけていけます。
止まっても、再開の日をあらかじめ決めておく
仕事や学校の都合で、練習が空いてしまう時期は必ず来ます。最初のうちは、空いた瞬間に「もう終わりだ」と感じてしまう方が多いです。
そこで、目標を立てるときに「止まったら、次はいつ戻るか」を先に決めておきます。忙しい週があっても、戻る日が決まっていれば、それは中断であって失敗ではありません。
振り返りは、どのくらいの頻度がちょうどいいか
行動目標は週に一度、5分で足りる
行動目標は、週に一度見るのがちょうどいいです。やった回数を数えて、○か×をつける。それだけなら5分もかかりません。毎日振り返ると細かい変動に振り回されますし、月に一度では修正が遅くなります。
結果目標は一か月から三か月に一度
結果目標は、そう頻繁に見直すものではありません。一か月から三か月に一度、行動目標が結果につながっているかを確かめます。行動は続いているのに結果が動かないなら、行動の中身がずれている可能性があります。そのときは、何を練習するかをコーチに相談してみてください。
記録は、続けられる形が一番いい
ノートでも、スマートフォンのメモでも、カレンダーに丸をつけるだけでも構いません。凝った形にすると、記録すること自体が負担になります。実は、記録が途切れる一番の理由は、書くのが面倒だからです。3行で終わる形にしておきましょう。
よくある質問
Q. 目標はいくつまで立てていいですか
行動目標は三つまでをおすすめします。多いほど良さそうに見えますが、数が増えるほど一つあたりの意識が薄くなります。三つが安定して続くようになってから、次を足すくらいでちょうどいいです。
Q. 大人から始めた場合も、目標は必要ですか
必要というより、あると練習が楽しくなります。上達の実感は分かりにくいものですが、行動目標を数えておくと「先月より通えた」という形で変化が見えます。人によって違いますが、それが続ける支えになる方は多いです。
Q. 子どもの目標は、親が決めてもいいですか
方向を一緒に考えるのは良いことですが、最後は本人に決めてもらうのがおすすめです。自分で決めた目標のほうが、達成できなかったときも自分で考え直せます。親御さんは、記録を見て一緒に喜ぶ役に回ると続きやすくなります。
Q. 何度も未達が続いて、やる気がなくなってきました
よくあるのが、目標の大きさを変えないまま同じ挑戦を繰り返してしまう状態です。二回続けて届かなかったら、時間か回数か条件のどれかを一つ削ってみてください。一度でも達成できると、気持ちの流れは変わります。
Q. 目標を人に言ったほうがいいですか
言うと後に引けなくなる方もいれば、負担になる方もいます。無理に宣言する必要はありません。まずはコーチや一緒に練習する人に、行動目標だけを伝えてみるくらいが始めやすいと思います。
まとめ
目標が続かないのは、大きすぎる、期限がない、勝敗だけで測っている、この三つが重なっているときです。結果目標と行動目標を分け、それぞれに期限を切り、自分で数えられる指標で測る。この形にするだけで、目標は毎日の練習とつながります。
達成できなかったときは、目標を下げるのではなく分解します。時間・回数・条件のどれかを一つ削るだけで、実行できる大きさに近づきます。振り返りは、行動目標が週に一度、結果目標は一か月から三か月に一度で十分です。
紙一枚に、行きたい場所と、明日やることを三つ。まずはそこから書いてみてください。
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